siRNA

【RNAi(RNA干渉)】
1997年にアメリカのカーネギー研究所が線虫の細胞を用いた実験で、長鎖の二本鎖RNAがgene silencingを起すことを見出し、RNA干渉(RNAi)と名付け報告しました。しかし、長鎖の二本鎖RNAは哺乳動物細胞中では非特異的な免疫応答を惹起するために、その適用範囲は線虫やハエなどに限定されていました。

【siRNA】
2001年5月にドイツのマックスプランク研究所が21塩基からなる二本鎖RNA(siRNA)が哺乳動物細胞内でもmRNAを破壊することを発表しました。
ところが、このsiRNAを細胞内で効率よく、しかも安定的に発現させる技術がありませんでした。

【siRNA発現ベクター
siRNA発現ベクターとは東京大学大学院工学研究科の多比良教授が発明したsiRNAを効率よく、安定的に細胞内で発現させることができるシステムです。

またいきなり、用語解説から入ってみました。
多分、専門外の方が読んでもいまいちピンと来ないかと思いますが、
ここ2,3年で一般的になってきた簡単な
細胞内の遺伝子knock-down実験です。
これが開発されたことはバイオの世界では劇的な改革ですが、
詳しい説明はここでは割愛させていただきます。


さて、私も先週から本格的に
このsiRNAベクターを細胞にtransfectionして
knock-down効果を見る実験を行っておりまして、
その結果が今週出ました。
初めて自分が設計したsiRNAベクターを用いて実験したので
結果はどきどきでしたが、
knock-down効果のあるsiRNAベクターは無いという結果で、
今日再設計をするはめになりました。
今日は、上司の方がめずらしく「俺がやっておくよ」と
言ってくださったのですが、
一旦自分が任されたものだから、しました。
なんだか土曜日というのに、
どんどん平日ばりに働くようになってきました。
まぁ、好きでやっているんですけどね。