人間関係


私はこの半年で職場での人間関係に悩み続けてきました。
しかし、ようやく自分なりの一つの答えが見えてきたので、
今からそれを文章化してみようと思います。


まず、私の人間関係で悩んだ事件を
少し具体的に話しましょう。
入社して1週間も経たないうちに、
一つの失敗でものすごくきつい口調で
当たるような言い方をする先輩(A先輩と呼ぶことにします)に目をつけられました。
未熟者の私は、よく失敗をするので、
その度にどうしてそこまできつい言い方をされるのか
わけがわからず、戸惑い、
怯えて過ごすようになりました。
でも、しばらくすると、A先輩は、
最初は誰に対してもそんなふうな言い方をしたりすることもあり、
素直に従って、失敗したことを二度としないようにして、普通に接していればいいことが分かったのです。
今では、そういう当たり方はされなくなりました。
また、今は私はそうなれてはいませんが、
純粋に仲良くできるなぁ、とA先輩が感じた方には、
最初とは反対にものすごく人懐っこく声をかけてくるようになるのです。
自分に敵対すると感じた人に対しては、
遠慮なく悪口を言い、
ときには、真っ向からぶつかったりもするので、
仲良くする人と仲良くない人とがいますが、
そういう方だと分かれば、普通に接することができるようになりました。


実は、このA先輩はB先輩と非常に仲が悪かったのです。
B先輩というのは、私の職場で初めによく一緒にいて、
いろいろ教えてくださった方で、
私はB先輩と一緒に職場の係の仕事をすることが多く、
そのため、一緒に怒られたりしました。
ところが、このB先輩はA先輩だけでなく、
ほかの方や上司ともいまいち仲良くなかったりもしたのです。
最初はその理由が分かりませんでしたが、
だんだんその事情が分かってきました。
それは、やはりB先輩に良くない(とまわりの方が評価している)面があるからなのです。
私はB先輩とは、お昼も一緒にする間柄になっていて、
とても私のことを気に入って下さってよくしてくださるB先輩が
まわりの方とも仲良くなってくださることを願いました。
しかし、ここで私がB先輩に
「まわりの方がB先輩のこんなところに不満を持っているようなので、
直されたらいいと思いますよ」
なんていうことが言えるはずがありません。
そもそも、人にはそれぞれ考えがあって、
それが行動に現われているのです。
私は、なぜB先輩がそういう行動を取られるのだろう、と
不思議に思ったので、
仲良くなってからいろいろ話を聞いてみました。
そうしたら、やはりB先輩にはB先輩なりの独自の考えがあったのです。
B先輩は、ご自分の考えを変えられない限り、
B先輩の行動が変わられることはないでしょう。
人の考えを変える、というのは、難しいことです。


さて、ここで、自分の考えが変わったことがあるか、
というのを考えてみました。
もしあるなら、そのときなぜ自分の考えが変わったかを思い出してみれば、
なんらかの解決のヒントになると思ったのです。


すると、ごくごく最近のことですが、
私の直接の上司であるC先輩に
とても影響を受けていることに思い至りました。
C先輩はまわりのどの方ともとても仲が良く
(少なくとも私からはそう見えます。
なんと、A先輩とも大変仲が良いのです)、
また、いろんな方から頼られていて、
凄いなぁ、と思うとともに、
私もそうなりたいと感じました。
私自身は仲良くなりたいと考えていても、
いまいち仲良くなりきれない相手というのがいました。
A先輩もそうです。
実は、C先輩も始めはA先輩にきつく当たられていたけれど、
A先輩に対して友好的な態度を取り続け、
今ではとても仲良くなられているのです。
一方、B先輩はA先輩にきつく当たられて、
B先輩もA先輩に大きな壁を感じ、
それをお互いに態度に出し続けたので、
関係はどんどん悪化して修復不可能になったのです。


交通事故の原理を思い出しました。
交通事故というのは、
「二人の馬鹿が出会ったところで起こる」
と言われます。
つまり、お互いに不注意な点があるからこそ、起きる。
どちらかの責任がゼロの事故というのは、無い。
つまり、相手のせいにするのではなく、
自分の責任と感じて、自分の態度を
「あなたがどう思っていようが、
私はあなたに壁は感じていないし、
仲良くしていきたいと考えている」
という行動を取り続ければいいだけのことなのです。
仲良くできない関係の場合、
相手が壁を作っているから仲良くできないのではなく、
自分が壁を感じず、普通に接する努力ができていないから、
仲良くできないのです。


それでは、自分が相手に壁を感じていない、と
態度で表すには、どうすればいいのでしょうか。
C先輩の普段の行動をよく観察して学びましたところ、
私は、(別にわざわざ避けるということはしなくても)
自然に仲良くしていく行動ができていないことが分かりました。
自然に仲良くしていく、というのは、
朝初めて顔を合わせたら、自然に笑顔で挨拶をする、とか
すれ違ったら自然に会釈をする、とか
エレベーターなどで一緒になったら、
天気でも世間話でもいいから、何か話をする、とか
本当にごくごく当然のことです。
自然に仲良くしていく行動ができなければ、
それだけで
「私は、あなたと仲良くする気がありません」
と言っているのと同じなのです。
こんな事実に気が付いて、
自然に仲良くする行動を心がけるようになったら、
相手に対して「壁を感じていません」とアピールすることになり、
相手も壁を取り払ってくださった感じを受け、
本当に壁を感じずに接することができるようになってきました。
事実、私は最近、まわりの方たちと
だんだんうまくいくようになってきたのです。


さて、なぜヒトの考えが変わるか、という話に戻しますが、
私の場合は、ある相手にとても良いなぁ、と好感を持つ部分があって、
実際に真似したいと思ったことにありました。
短絡的では、ありますが、
私は、B先輩にしてほしい、と思う行動を
自分がすることにしました。
それをもしもB先輩がいいなと思ってくださって、
考えが変わることがあればいいな、という程度の
かすかな願いです。


実は、B先輩は一人でいい、という考えの持ち主でした。
でも、私は、C先輩のように、
まわりに自然と人が集まる方が、素敵に感じるのです。
それに、C先輩を見ていてよく分かるのですが、
人間関係がいい方が、自分のしたいことが、
しやすくなるということがたくさんあります。
さらに言えば、自分自身が今回成長できたように、
自分が良いように成長していくために、
まわりのいろいろな方のいいところを吸収していくのがいいと思います。
いいところを吸収するためには、
人の悪いところを探すのではなく、
良いところを探すようにしたらいいのだと思います。
険悪な人間関係では悪いところばかり目に付いてしまいます。
だから、できるだけ人間関係は大切にしたほうがいい、と思うのです。


ところで、気づいた方もいらっしゃるかもしれませんが、
数週間前の日記で落ち込んで泣いた、と書いた
あの上司の方が、C先輩です。
最近、一番私が悩んでいた人間関係なのです。
C先輩から学んでC先輩ともうまくいくようになったなんて、
そういうものですかね。