詩吟大会

大学時代の多くを過ごした部活、吟詩部の
年に一回行われる後輩の開いた大会を見に、岡山まで日帰りで行ってきました。
私もOGになって、特に東京に出てきてから、
現役の力になれることは少なくなりましたが、
一年間の現役の活動の集大成である学内大会だけは
見に行くことに決めているのです。


この2、3年で学生吟会は衰退の一途をたどっているようで、
国学生詩吟連盟の活動している詩吟部も
私が現役時代は10数校ありましたが、
現在では5校となってしまったとのことです。
私の所属していた吟詩部も急激に人数が減って、
47年の伝統も途絶える危機に至りましたが、
少数精鋭の部となったようで、
いい大会でした。


特に、大会の後の卒部生セレモニーで、
4回生である卒部生が、泣きながら
「この部を卒部できてうれしい。この部が好きだ。」
と言葉に詰まりながら話しているのをきいて、
伝統が受け継がれているということを感じられ、
もらい泣きをしてしまいました。


それにしても、現役の活動を離れて
現役を共にした同期や先輩、後輩とも会う機会がほとんどなくなってから思うのは、
現役が活動を続けて大会を開いてくれる、というのは、
OB、OGの同窓会を開いてくれているようなものだ、ということです。
特に、社会人となって、全国に散らばった同期は、
仲の良い同期でさえ、3人、4人と揃うことは難しいのです。
ですから、今回は私の同回生7人のうち、5人が一同に会する機会となりましたが、
大変ありがたかったです。
また、1次会コンパに移動するバスの中で、
偶然にも、私が4回生のときの、2回生と1回生がかなり揃った状態になって、
現役の頃の感覚が思い出されて、懐かしい気持ちになりました。
時を経ても、変わらない関係、というのは、ほっとしますね。
改めて、私はこの部で大切な宝物を得た、と思いました。


でも、ちょっと変わったこともあります。
今回、私は、社会人になって、少しは成長した
ということを見せたい、と思っていました。
そうしたら、後輩が複数の後輩が「きれいになりましたねぇ」と言ってくれたのです。
まぁ、ちょっと話したら、すぐ「変わってないですね」とも言われましたが。
でも、自分の今の状態がとても幸福だと感じていて、
会いたくてもなかなか会えない先輩にも、
今の私を少しですが伝えることができて、嬉しく思いました。


やっぱり、学生時代に一緒に苦楽を共にして何かに打ち込める部活をするのは、
いいことだと思います。
師範の先生には、一言「来年、また来ます」という挨拶しかできませんでしたが、
また来年行きたいと思います。